SPAを読んだがこんな無駄なダムを建設する必要があったのか?
土建ヤクザ自民党と取り巻きの土建屋、役人の為のダム建設だった。
なぜ住民は代替地にほとんど移転していないのか?
工事費の7割を使いながら道路も1割しか完成していない理由は?
河川工学第一人者、今本博健・京大名誉教授と現地をリポート!
【担当編集からのコメント】
前原国土交通大臣が「本体工事の中止」を明言して、
話題の八ツ場ダム。住民は突然の中止で困惑し、工事も着々と進んでいるというが、本当のところはどうなのだろうか? そこで、河川工学の第一人者・今本博健京大名誉教授とともに本誌が現地取材。
「事業費の7割を使いながら、付替道路はまだ1割も完成していなかった」
という1点だけでもこの事業のムチャクチャさがわかりますが、そもそも治水・利水面からみてダム建設の必要性はあるのだろうか!? そのほか、代替地造成や住民生活再建にまつわる問題、水質汚染、環境・景観破壊等々、八ッ場ダム問題を多面的に検証しました。
さらに、今本教授と元祖「脱ダム」の田中康夫衆院議員が緊急対談!(
元祖「脱ダム」田中康夫責任編集マスコミが報じない八ッ場ダムの意外な真実|今週のSPA!|Web SPA!)
鳩山政権による公共事業見直しの動きが急だ。ダム事業は前原誠司・国土交通相が八ッ場(やんば)ダム(群馬県)、川辺川ダム(熊本県)の建設中止を表明。実施中の全ダム事業について必要性を検討すると決めた。民主党が強い姿勢で臨む背景は何か。検討はどう進むか。【宮田哲】
幅100メートルの
ゆったりとした流れにボートが通る。アユの漁獲量日本一の那珂(なか)川。下流の水戸市の岸辺にいた那珂川漁業協同組合長の君島恭一さん(76)は「頑張って」と漁に出た男性に声をかけた。のどかな風景だが、対岸は矢板で囲われている。霞ケ浦と那珂川、利根川の間で水を行き来させる霞ケ浦導水事業の工事現場だ。この事業も、検討対象のダム事業に含まれる。那珂川からの取水口施設は、川べりから約20メートルの地点で工事が止まっている。
那珂川の水量が多いときは霞ケ浦に送り、霞ケ浦の水質浄化に役立てる。那珂川の渇水時は霞ケ浦の水を注ぐ。国は導水路の目的をそう説明するが、流域の各漁協は「アユの子が取水口から吸い込まれる」「霞ケ浦の水が入れば、自然環境が変わる」と不安がる。今春には取水口の建設工事中止を求める訴訟も起こした。
那珂川漁協は今夏の衆院選で工事中止の立場を取る民主党新人の
福島伸享氏を推薦し、福島氏は当選した。漁協の君島さんは「前原さんに期待している。ここの工事を一番先に止めてもらいたい」。工事の完成予定は15年度。総事業費1900億円の7割以上が既に使われた。
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八ッ場、川辺川両ダムは入り口に過ぎない。前原国交相は河川行政の見直しを前提に全ダム事業の必要性を検討することを表明。たまった砂のしゅんせつなど維持費用がかさみ「公共事業が公共事業を生んでいる」というコスト面と「ダムは造ると水がよどんで河川の水質が悪くなる」という環境面から「ダムに頼らない治水」を打ち出した。
今年度実施の143ダム事業のうち、今年度中に完成したりすでに中止が決まった分を除いた事業は136。136ダムをどう見直すかの基本方針は、政府予算案の提出時までに明らかにされる。布石として国は、これらのうち国直轄のダムは「地元説明から用地買収へ」など、新たな段階に入るのはストップさせた。
前原国交相は地方自治体の議会や首長などが反対している事業は「優先的に見直したい」と語っている。「木曽川導水路」(岐阜県)は河村たかし名古屋市長が、前原氏に既に中止を申し入れた。ただし、関係する愛知、
岐阜、三重3県は推進の立場だ。「大戸川ダム」(滋賀県)は滋賀、
京都など4府県の知事が反対し、既に事業凍結されている。
新内海ダム(香川県)は、鳩山由紀夫首相が今年7月、「今必要かどうか、私の心の中に疑いは消えていない」と発言している。新内海ダムのような都道府県の事業でも、国の補助金は出ており、前原国交相は「見直す方向性になったときは自治体と話をさせていただきたい」とする。過去には00年に自民、公明、保守の与党3党が公共事業の抜本見直しを行い、ダム事業も大幅に中止された例がある。
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民主党の、公共事業への断固たる見直し姿勢の背景には何があるか。
前原国交相はこんな発言を繰り返す。「人口減や少子高齢化、国の長期債務のある現在で、限られた税金の使い道に何を優先するか。公共事業は減らさざるを得ない」
首相も、ほぼ同じ意見を持つようだ。「民主党は、目前に迫った本格的な少子高齢社会の到来に備えて財政を健全化するとともに(略)公共事業の本質的な改革が必要不可欠であると考えています」。9年前の00年10月、当時も党代表だった鳩山氏が、代表の特別諮問機関「公共事業を国民の手に取り戻す委員会」に諮問事項を示した文だ。
委員会の座長を務めた五十嵐敬喜法政大教授はその年の12月、公共事業をテーマにしたシンポジウムに出席した鳩山氏の姿を覚えている。「一日中聞いてくれました。最後のあいさつも感動的だった」
委員会の答申を受けた民主党は01年、「公共事業基本法案」「緑のダム法案」などをまとめた。党の「次の内閣」で担当した社会資本整備相は前原氏だった。五十嵐氏は語る。「民主党が積み上げたことが前原さんの言葉になっている」。公共事業改革こそ民主党のDNAなのだ。
自民党の族議員は、大きく変わった今の状況をどうみるか。建設省河川局河川計画課長などを務めた脇雅史参院議員は嘆く。「八ッ場ダムを中止すれば、計画を立てた時よりも、治水の安全度を下げることになる。安全を確保できるのか。検証や議論はできているのか。住民の数や
資産は増したのだから治水の重要性は高まったはず。官僚は弱虫だから言わないんです。野党になったのだから、私は国会で議論します」
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無駄はダムばかりではないようだ。前原国交相は、空港の整備などを手がける社会資本整備事業特別会計の空港整備勘定についても「特別会計があることで採算の合わない空港を造り続けてきた」と見直す考えだ。その空港の一つになりそうなのが来春、航空自衛隊百里基地を官民共用して開港する
茨城空港だ。就航が決まっている定期便は、今のところ外国航空会社の
韓国との2路線のみだ。
五十嵐教授はダムの先にある改革をこうみる。「公共事業の王国は道路です。毎年、巨額の道路特定財源が使われ、金も組織も力も違います。道路について無駄かどうかの客観的基準を決めるのは、馬淵澄夫副国交相でしょう。基準ができればかなりの道路計画が減るはずです」
前原氏は先日、省内
ネットワークで国交省職員に
メッセージを出した。「国民に共に仕える立場として、どういう税金の使い道が正しいのか(略)今までの仕事を頭の中でリセットしていただきたい」。自省の予算拡大こそ第一だった霞が関。「昔はそんなことは考えなかった」と中堅幹部はつぶやいた。
10年度の概算要求で、国交省は公共事業関連分を09年度当初予算より14%カットした。公共事業をよるべとする人たちからは、うらみ声も上がる中、民主党は突き進む。「コンクリートより人」の理念を、実現できるか。培ってきた力が問われている。(
特集ワイド:’09天下の秋 民主党の見る未来は - 毎日jp(毎日新聞))